機械工

サプリ

先日「マシニスト」(@京都シネマ)を観てきました。実は結構楽しみにしていて、つまり、すでに期待してしまっていたので「期待したらダメになる」の原則に基づき、その期待感を思いっきり抑圧して臨みました。まあ、僕のそんな細やかな心理戦のことなんて♪ど〜でもい〜ですよ、だと思うので話題を変えます。京都シネマは確かスクリーンが3つくらいあると思うんですが、今まで三回くらい観て全部同じスクリーンです。全部同じです。三回とも全部同じです。まあ、いいです。そんなこと。
で、「マシニスト」。ダークでした。重苦しいとまで言っても良いくらいです。この色数の少なさは、不眠症患者は鮮やかな色が見られなくなるという症状がある、という理由からデジタル処理で色彩を調整したそうです。あと、観ていて演出がかなりベタだなあ(特に音響)と思ったけど、これも後で監督(B・アンダーソン)のインタビューを読むと完全な確信犯で「今回の作品のスタイルやビジュアルはオールドスクールに徹した」と語っていて納得しました。悪夢っぽい不条理感抜群の進行具合にかなりヤラレます。でそれがあってこそのラスト。嫌にリアルです。観終わってから自分の頭の中でどんどん整理されて行く程に切なく、愛おしくなります。不眠がどうこうというよりも、心理、精神的なもの…一日の終りに心が満たされてないと眠れない、それが何日も続くと人間ブッ壊れるというかグチャグチャになるというか(←寧ろこの文章がグチャグチャ)。自我vs良心に振り回される肉体。愛おしくも哀しい贖罪映画。しかしクリスチャン・ベイルはサイコがよく似合う。