『Lyrically Exposed Re-Issue』/ OBSCURE DISORDER('00/Audio Research)
モントリオールから。3MCに絡むA-TRAKのタイトなカットは言うまでもなく超強力。そして彼の兄、このグループのビート制作者であるDAVE ONEも並の才ではないようだ。「Lyrically Exposed Part.2(The Revelation)」には、優しさと悲しさを合わせ持つような絶妙なピアノが組まれており、聴く者の琴線に触れる仕掛けになっている。この音を聴いてカナダのシーンは気が確かであることを再認識。クラシックなんてホントに何処に潜んでいるか解らない。
こんな事を言ってる間にも世界中のローカルなシーンでは地道に才能を磨いている真のアーティスト達の手によって、無数のスクールや変革は起こっているはず。でもそのような情報はなかなか流通せず(何故ってあの辺の企業連中が金にモノを言わせてスペースを埋めているからでしょう?)、街(ストリート??)には画一化された、同じようなコメントのレコメンド情報だけがリレーされて行く。“だってヒップホップ・ビューアーばかりが氾濫してヒップホップ・リスナーが少な過ぎるんだ”と歌ったのはShing02。詰め込まれ過ぎて味覚バカになってしまう前に、自分が本当に好きなものかどうか、そこの部分の真贋鑑定力を磨くことも必要では?意識だけでも。